HP 18000 : バラストチャレンジにも勝利

鉄道バラストを生産するカノーサ・ディ・プーリア(アンドリア・バルレッタ州)から数キロメートルの採石場で、Indeco HP 18000 FS(燃料節約)ブレーカが、火薬使用が不可能な場合に最善の代替手段であることを再び証明しました。

20 12月 2016

ポッツェッレ石切り場は、カノーサ・ディ・プーリアから数キロメートル離れた州道181号線沿いにあり、この地域特有の琥珀色の大理石と蛇紋岩が採れるのが特徴です。CO.MA srl社が管理するこの採石場は、1980年代後半から活動していますが、最近では鉄道バラスト用の砕石の生産にも有望視されています。実際、一連の試掘と研究所での分析により、この鉱床には白亜紀のアプーラ台地の形成にさかのぼるドロマイト質の炭酸塩変成岩も含まれていることが判明しました。
この岩石は、RFI(イタリアの鉄道会社)の土木工事に関する一般技術入札仕様書(パートⅡ-セクション17)の規格UNI EN 13450に規定されている特性を満たしており、バラストの製造に適していることが証明されました。この仕様書では、鉄道用バラストは、圧縮、破砕(ロサンゼルス係数)、凍結に対して優れた耐性を持ち、アスベストなどの有害繊維を含まない材料でなければ製造できないと定められています。研究所での検査の結果、ポッツェッレの採石場から採取した岩石の強度は139~144 MPa、RFIのLArb値で評価した破砕抵抗は20未満であり、ケースによって第1カテゴリー(LArb≦16)または第2カテゴリー(LArb≦20)のバラストとして位置づけられています。

火薬を使用せず採掘
州道181号線に近いことと、採石場周辺の活発な農業活動により発生する粉塵の量を減らす必要があることから、火薬の使用は除外されました。しかも開設当時は機械切削が好まれる装飾用石材のブロック採取を目的としていたため、火薬は一度も使用されたことがありませんでした。
CO.MA Srlは社、バラストを大量に生産するのに適した火薬類を使用することができず、この分野における経験と、採掘、一次・二次破砕、貯蔵の全サイクルを提供する手段を持つ会社に依頼することにしました。そして、生産はアンドリア市のD’Oria Giuseppe e C.社に委託されました。この会社は道路工事とコンクリートの分野で数十年にわたり活躍しています。採石場の責任者が語るように、岩石の強度は特殊であり、高品質の材料を生産するために必要なすべての加工は、骨材部門での経験を必要とします。
「この採石場は、採石面によって装飾用の石材と鉄道バラスト用の石材を生産できる特殊な場所であり、しばらくはこの2つの活動を並行して行う予定です。しかしその数量割合は同等ではありません。事実、バラストは私たちが最も力を入れる活動です。骨材の生産は、装飾用素材とは採掘の技術や物流が大きく異なるのです。」
そのため、CO.MA srl社はこの活動を「専門家」に任せることを希望しました。硬度と強度が高く、100 MPaを下回ることがなく、ベンチの破壊が少ない材料を採掘するという難しい課題に取り組むため、D’Oria社はIndecoのHP 18000FSブレーカと90トンの日立 870ショベルを購入し、さらに既に所有していたHP 9000を搭載した33トンの日立ザクシス350を追加することにしました。2つ目のブレーカは、装飾用石材としては欠陥や破損により使用できない石材ブロックを、バラスト材として使用するためにさらに小さくする目的で使用されます。また、このブレーカは特に、HP 18000で生産される、一次粉砕のためにクラッシャーに渡すには大きすぎる塊の、体積削減を行うことができま

バラストのチャレンジ
鉄道用バラストの製造には、RFIによる厳しい要求があり、サプライヤーには質的にも量的にも正確な仕様が要求されます。要するに、サプライヤーは、仕様で要求される特性を保証することに加えて、管理された方法により材料を他の物と離して保管すること、さらに保管場所を特定することが可能であり、これらにより採取された材料が要求事項を保持していることを保証しなければなりません。つまり、掘削に続くすべての生産工程(ハンドリング、破砕、選別、洗浄、保管、積み込み)において製品の品質を保証しなければなりません。
D’Oria社の社長Giuseppe Massari氏も、この生産とロジスティクスの能力を強調しています。「骨材の取り扱いも含めるコンクリート生産分野ではかなりの経験と高い評価を得ていますが、バラスト事業は明らかに別の事業です。まず、チャレンジとも言えるこの事業をするために、必要な準備を整える必要がありました。そこで、このサイズとパワーを有し、現在市販されている唯一のブレーカであるHP 18000FSを装備しました。このブレーカは、優れた信頼性を損なうことなく、8時間の作業で約700~800立方メートルの材料をベンチで生産することができます。 これは非常に大切なことです。なぜなら、RFIがいつでもバラストを利用できるように、年末までに5万立方メートルの材料を生産し、配送できるようにしなければならないからです。そのため、採石場で直接行われる一次破砕、そして当社内で行われる二次破砕、選別、洗浄の各工程にも細心の注意を払う必要があります。HP 18000購入の選択は、非常に硬くて割れない材料を製造するという、最重要課題を解決する機会を与えてくれたので、非常に重要でした。この採石場では、ブレーカのパワーとその操作員の経験のすべてを駆使しています」と述べました。

HP 18000は大量生産のためのソリューション
高い生産性が求められる採石場の特別なニーズを満たすために開発されたIndecoのHP 18000FSブレーカは、火薬の使用が徐々に減少しているすべての市場で成功を収めています。現在、下位クラスブレーカの汎用性とスピードを維持した25,000ジュールのブレーカを提供するメーカーは、Indecoだけです。HP 18000FSは、大型で高性能でありながら、90トン級のショベルとの連結も可能であるため、採石場での機動性が高く、何より消費電力が少なく、収益性が高いというメリットがあります。最大460回/分の打撃速度と250 mmの先端部を持つHP 18000FSは、その破砕・解体された岩石量をみても、素晴らしい生産性を発揮していると言えます。HP 18000FSは、他のIndecoのブレーカと同様に、入力エネルギーと出力エネルギーの比率が非常に優れており、最適な効率を実現します。また、ブレーカには、Indeco独自の特許技術であるABF(アンチブランクファイヤー)システムを搭載し、ブレーカの効率と寿命を飛躍的に向上させています。